これからはステンレス!

鉄の歴史は紀元前15世紀から延々と続いてきましたが、ステンレスの歴史はわずか100 年!
鉄に比べるとステンレスはまだ赤ちゃんなのです。
しかし、ステンレスは超優良児で、現代社会の中で、すくすくと成長し続けています!

ステンレスは鉄(炭素鋼)にくらべて、以下の大きな特徴を持っています!
・錆びにくい!(綺麗、お手入れ簡単、長寿命)
・耐熱性及び耐低温特性に優れてる!(熱くても、冷たくても安心)
・強度が高い!(想定外の時でも安全マージンがある)
皆さんの身近なところから、普段目にすることのない重要な場所で活躍しているステンレスの、そんな魅力をご紹介します。

暮らしに広がるステンレス!

暮らしの中のステンレス

真空ポット、スプーン、フォーク、システムキッチン、その他台所用品、冷蔵庫、洗濯機、ファンヒーター、ハサミ、毛抜き、その他家庭医療器具、携帯電話、パソコン、腕時計、自転車、自動車、電車車両、手すり、階段、エレベーター、プール、公園内施設、医療施設、医療機器など

暮らしを支えるステンレス

モニュメント、案内版、高速道路、タンカー(船舶)、ビールのタンク、浄水場,下水処理場浄化施設、 海水淡水化プラント、石油化学,医薬品などの各製造プラント、ソーラーシステム、燃料電池、水力,火力,原子力発電所発電機器、ダム、水門、防潮堤など

ステンレスとは?

ステンレスはクロムを10.5%以上含み、炭素が1.2%以下の合金鋼です。
一般的には非常にサビにくく、いつまでも綺麗で、清潔感があることで知られていますが、実は機械的性質の部分でも耐熱性、強度、加工性などにおいて優れた特徴を持っています。
また、あまり知られていないこととしては、ステンレスが100%リサイクル可能な素材だと言うことです。
ステンレスは優秀なエコ素材でもあるのです。

ステンレスは高価?

「ステンレスは高い」というイメージも最近では大きく変化してきています。
確かにイニシャルコストの面で見れば高いかもしれませんが、維持費や管理費、廃棄代に再投資費用などを含むトータルのコストであるライフサイクルコストで考えると決して高い素材とは言えないのです。
特に自然災害の多い私たちの国では、更に安全性という要素も加わるため、長期的な視点を持った方たちから、ステンレスのその新しい見識が広がりつつあります。

ステンレスはサビない?

ステンレス= Stain(サビ)+ less(にくい)という意味です。
ステンレスの種類によって錆が発生する条件は異なりますが、サビない金属ではないのです。
サビを防ぐしくみとは、ミクロの世界で行われる不思議な反応によって行われます。
ミクロの酸化物(サビと同じ;不動態被膜)が金属の周りを覆い隠し、酸素が鉄と結びつくのを防いでいるのです。
しかしながら、ミクロの酸化物(不動態被膜)は総じて塩素が大敵となるのでステンレスが永久にサビないということではありません。

衛生的で意匠性が高い

塗装の必要がないため、塗装が劣化してボロボロという心配はいりません汚れは落としやすいので,手入れが簡単!
(こすったら汚れは取れるのですが、新品同様に傷無しで維持するにはお手入れの知識が必要です)

衛生的なので、食器から医療機器まで幅広く使用されている信頼性の高い金属です。
研磨やブラスト、発色加工などの様々な表面処理によりデザイン性が高く、メンテフリーと併せて様々なオブジェ、案内版などに使用されています。

不動態皮膜?

不動態皮膜はクロムと空気中の酸素との反応物。
ステンレスの表面上で自動的に作られる皮膜で、ステンレスを空気から遮断しています。
皮膜は非常に強靭で安定性が高く、被膜を傷つけても自己修復機能があり、空気中の酸素と結びつき瞬時に皮膜を再生します。
ステンレスがメンテフリーと言われているのは こ皮膜のおかげでその効果はほぼ無限です。
不動態皮膜の厚さはなんと1nm(ナノメートル)

※1ナノメートル=百万分の1ミリメートル
酸化被膜を1mmの大きさに拡大したとき、明太子の卵一粒の大きさは東京タワー大の巨大卵になります。

耐熱性

鉄に比べステンレスは耐熱性、耐低温特性にすぐれます。
使用されている温度域は-196℃(低温)〜1,000℃(高温)になります。
※鉄(SS400での評価)はマイナス側の気温になると、もう危険サイン!
液体窒素やLNG設備などの低温設備、自動車のマフラー、燃料器具、加熱炉や反応炉などの高温設備に使用されています。

磁性と非磁性

鉄とクロムの合金の400系ステンレスは磁石にくっつきますが、ニッケルを加えた300系ステンレスは磁石につきません。
※300系ステンレスも加工により組織が変化し、磁性を帯びる場合もあります。

磁石がつかない特性を生かし、MRI(核磁気共鳴画像:病院の検査機械)やリニアモーターカーなどの設備に使用されています。

ステンレスの種類

オーステナイト、二相ステンレス、フェライト、マルテンサイトなどJIS規格だけでも100種類以上、その他にも独自鋼種があるのでご利用の際は専門家にご相談下さい。


ステンレス協会/ステンレスの種類

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